何度も出向かなければならない原因?

ご相談から、
Q.先日障害年金の申請をしようと思い、年金事務所へ説明と書類をもらいに行った。待たされた挙げ句、申請に必要な書類 は初診日の証明書の用紙しか渡されず、次回初診日を再確認し、必要なら証明書をもらってから来るように言われた。国民年金だけだから役所でも良かったが年金事務所の方が説明も対応も早いと聞いたので出向いたのに。昔のことで憶えていないから答え様がないのに何度も聞き返えされたりした後で、結局書類は数枚しか渡されない。行く前は2回行けば済むと思っていたのとは違う面倒だと分かったが、何度行けば済むんだろう。言葉遣いや態度に不満はないが、正直少し腹がたった。私がもらえそうにないからそのような対応だったんでしょうか?

障害年金の手続きは簡単か?

A.障害年金の相談で、明らかに保険料納付要件を満たさない方でない場合、請求に必要な書類を渡さないのは適切な対応とは言えず、請求する権利を抑制する行為とも受け取れます。この問題は、日本年金機構の抜き打ち調査の結果が新聞等でも報じられました。報道を受け窓口で「障害年金キット」(制度説明や請求に必要な基本的な書類一式)を、原則、初回相談から相談者に渡すようになりました。

私は、障害年金請求の書類一式を初回相談で渡さない対応は、不適切と決めつけることには賛成できません。障害年金の請求は簡単に終えられるものだと思っている方が多いからではないでしょうか。障害年金の制度は複雑で手続きも簡単ではなく、受理された後で審査があり、支給されない決定が少なからず起きるからです。決定に対して不服を申し立てる(再)審査請求は、2100件程度で最近は推移していますが、7割は障害年金の決定に対する請求です。

確認すべき事項が多く、簡単に済ませることはできないのです。初診日の証明問題は、(再)審査請求でも、障害状態の判定と並ぶ2大争点と言って良いでしょう。十分確認しないと、十分確認したつもりでも、後で新たに本来の初診日が発見されることはあり得ます。最初からやり直さなければなりません。

最悪、請求資格がない場合もあります。請求資格が無くなることはない方でも、一部の証明書がムダになります。そのようなことが無いようにするため、受給するために何が問題となるのか?を理解することにもつながると考えます。難しい問題を孕んでいるようなケースでは、一般の方が1回や2回出向くだけで手続きが終わらないのも理解できます。

障害年金は審査があることはわかるが、所詮年金でしかないから手続きは簡単なんだろうと考える方が多すぎます。通常の老齢や遺族年金等の手続きと比べると格段に難しい手続きです。専門家(国家資格者)に依頼するのが当たりまえと考えられる他の法律の手続きと同等か、それ以上だと個人的には感じます。障害年金請求は、無料の行政窓口等で説明を受け、書類を取得・記入し提出完了。受理されればそれで済む簡単なレベルと考えているからなのでしょう。

総務省が日本年金機構に勧告したことがありました。障害年金の請求手続きで何度も窓口に足を運ばせないようにと。手続き自体が難しく、不支給とされる不安もつきまとうのに回数を減らすだけだったら問題の解決とはならないでしょう。

「障害年金キット」を渡しても、窓口に出向かなければならない回数が減るとは思えません。窓口相談も予約制となり予約が取りにくい状況となっています。

障害年金は、最初に病院に掛かった日がいつなのかを特定しなければなりません。(これを初診日の詳細説明はリンク先をご覧ください。)受診した記憶を辿り、初診日の証明書を取得します。医師の証明がとれないときは、その他に証明する資料を見つけなければなりません。

取得料も安くないから

主治医から障害年金請求を勧められた方は、診断書を渡されれば、すぐに主治医に書いてもらいたいと思われるのではないでしょうか。障害認定日から1年以上過ぎてから請求(遡及請求)をされる場合、直近の3月以内の診断書と2枚書いてもらうことになります。

診断書が出来あがり内容を確認。初診日だと思っていた日が記憶違いや理解不足で違った場合、少なくとも障害認定日の診断書は無効となりムダな出費となります。これは初診日の証明、受診状況等証明書も同じです。順番としては受診状況等証明書の取得が先です。順番通りであればこのような時間と手間、費用のムダは少なくて済みます。

(年金の請求でも、老齢年金や遺族年金の場合に添付する書類で高額なのは死亡診断書くらいです。こちらは写しで良く、それ以外に役所で取得する戸籍謄本等どの取得費用は千円未満、無料交付の自治体もあります。障害年金請求の出費は遥かに多いです。)

窓口で細かく初診日や他の医療機関の受診日や経過、更には相当因果関係のある病気の有無、関連する病気の経過等を確認する目的は、ムダな時間・手間・費用をなくするためもあるのです。

最初に通院した病院、移った病院に確認したり、発症当時の職場、友人などに聞いてみたりしてください。

ご本人申請をとお考えの方へ

初診日がいつなのか?それ以前に別の病気で受診していたことがないか?別の病気と障害の原因となった病気と因果関係があるのか?など事前に調べておくべきです。でも、真剣に話を聞き、メモをしっかり取られる方は少ないこともあって、一度で理解できる方は非常に少ないですから、窓口の説明や書類交付が「小出し」になってしまうことも、何度も足を運ばなければならなくなることも致し方ないことだと思います。

初回無料相談 セルフ受給診断

手続き代理は全国対応可能です。

対応実績;北海道、青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県、千葉県、東京都、神奈川県、埼玉県、群馬県、茨城県、栃木県、長野県、富山県、石川県、福井県、静岡県、愛知県、大阪府、京都府、奈良県、兵庫県、岡山県、広島県、島根県、山口県、愛媛県、徳島県、福岡県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

Page top icon