併合認定とは

 併合認定とは、障害が複数ある場合それらの障害を併せて等級判定を行う認定手法です。障害認定基準では、「併合等認定基準」として、更に総合認定と他の認定手法とは異なり障害の程度を低く認定する差引認定を上げています。本ページでは、併合認定について以下ご説明します。その他の認定についてはリンク先ページをご覧ください。

 例えば、両目の視力が0.1以下の方が、うつ病(正社員として働くことができない状態)も併発したとします。現状では就労に支障があるが、日常生活面では特に支障がある状態(2級相当)と言えない場合、「3級と3級だから、二つ併せた障害状態は全体としては3級」ではなく、併合認定の考え方から、2級に該当するかどうかを審査することになります。

 障害の程度を全体で捉えるのではなく、個々の障害ごとに別表1併合判定参考表から該当「号数」を確認し、別表2併合(加重)認定表で併合後の等級認定を行います。複数傷病の方は単独傷病での請求と比較すれば、受給可能性が高くなったり、より上位等級での受給の可能性が高くなることもあります。

併合認定のやり方

 視力障害とうつ病を併発された方の併合認定について具体的にご説明しましょう。
視力は両目とも0.08、うつ病は日常生活では概ね自立しているが短時間勤務でも継続就労が困難な状態とします。

 別表1 併合判定参考表から該当する障害の程度を捜します。視力障害は、3級6号の「両目の視力が0.1以下に減じたもの」に該当します。次にうつ病の該当番号です。3級7号の「精神又は神経系統に労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害の残すもの」に該当します。

 別表2 併合(加重)認定表の横でも縦でも良いのですが、横の3級6号(視力障害)と縦の3級7号(うつ病)の交わる箇所の数字を見ると、「4」これが併合番号となります。

 併合番号「4」に対応する障害の程度は、国年令別表2級となります。この例の方は併合認定の結果、障害等級は2級と決定されます。

併合認定の詳細

 3つ以上の病気を併発した事例や既にあった傷病に後で障害が加わるケースについて説明を進めます。

(ア)同一傷病で複数の障害が生じた場合の新規請求

 複数の障害の程度を併せ、障害認定日あるいは事後重症請求時に「併合認定」で等級判定を行います。  

質問;3つの障害がある場合の併合認定は?
原因とされる病名:脳動静脈奇形
脳内で動脈と静脈が本来なら毛細血管を介してつながるものだが、そうではなく動脈と静脈が直接つながってしまう異常な血管が生じる病気です。その結果、静脈へ高圧な動脈が流入することとなり静脈が耐えきれずに破裂してしまい、脳内出血が起こりました。その結果片麻痺を生じ、右上肢及び右下肢の関節運動に支障があり、さらに言語機能にも障害のある方の場合の認定はどうなるか?

回答;
 まず、障害はなにかを明らかにする。
① 右上肢の運動能力
② 右下肢の運動能力
③ 言語機能
 次に、これらの障害の状態を、「併合判定参考表」から個々の障害の該当号数を確定する。
号数の大きい=軽度のものから順に、本事案の場合は3位(最下位)と2位(その直近位)の号数から「併合(加重)認定表」により組み合わせに応じた併合後の号数を求める。
併合により求めた号数と1位(残りの最下位の号数)との組み合わせで併合号数を求める。この号数で障害等級が決定されます。
 4つ以上の障害が同時に生じた場合を検討して見ましょう。例えば6つの障害が生じた方の場合、6位と5位で併合号数を求め、その併合後の号数と4位の号数の組み合わせで号数を求める。同様に3位、2位、そして1位まで同様にして最終的な号数から障害等級を決定します。
 但し、本事例の場合、原因傷病が脳の器質障害であり、肢体の障害が広範囲にわたる障害は「関節個々の機能による認定によらず、関節可動域、筋力、日常生活動作等の身体機能を総合的に認定する。」ことになること。また、言語障害は肢体とは異なる部位であり、その認定基準にも肢体障害との併合認定を明示してあることから、肢体障害の号数と言語機能の号数で併合認定される可能性が高いと考えられます。
 根拠;平成25年10月の日本年金機構・疑義照会(回答)票より
先天性難聴(3級)と網膜色素変性症(視力3級、視野2級)の再認定の事案。併合番号最下位順は、①難聴7号、②視力6号、③視野4号となった。原則的な最下位と直近位での併合認定では1級となるが、機構本部は②と③を先に併合し、次に①と併合するよう回答。結果、1級とはならず2級のまま。「1つの傷病に2つの障害が生じている」ことを優先的に併合を行う理由としています。
 先の事例は脳動静脈奇形と言う1つの傷病から3つの障害が生じたのですから、原則的な併合(加重)認定の最下位とその直近位での判定でも良く、請求者にとって有利な認定を求めることが適切なのだと考えます。

(イ) 既に障害状態にある方に更に他の障害が加わった場合、以下のような認定方法に区分されます。

(1) 併合(加重)認定

  1級または2級(注2)の障害年金を受給者に、更に、1級または2級の障害年金が受給できるような別の障害が加わった場合、別の障害の障害認定日または事後重症請求時に行われます。

(2) 併合改定(その他障害によるもの)

  1級または2級(注2)の障害年金を受給者に、更に、1級または2級に該当しない別の障害が加わった場合、別の障害の障害認定日または事後重症請求時に行われます。

  (注2) 以前は1級または2級だった方、現在支給停止中または3級該当となっている方も含みます。

(3) 初めて1、2級による認定 (詳細はリンク先をご欄ください)

  既に障害(3級以下(注3))をお持ちの方に、別の障害が加わり前後の障害を併せると初めて2級以上の障害等級に該当する場合、初めて2級以上に該当した時点で認定されます。

   (注3)前発障害が以前1級または2級の障害基礎年金だった場合は対象外です。

併合認定の注意点

① 併合認定の等級繰上げ(2級、1級へ)の制限

 ア)3級と2級との併合で1級となるものは、3級障害が併合判定参考表の5号に該当する視覚障害や聴力障害に限定されます。5号以外の3級(6号~10号)と2級の場合は併合判定しても2級のままです。

 イ)3級障害が二つの場合(A病、B病)上記と同様、併合判定参考表の5号または6号にAかBのどちらかが(両方も良い)該当しなければ、併合認定で2級となりません。(更にそしゃく又は言語機能障害、脊柱機能障害、肢体(上肢・下肢)障害が加わります。)

 * 但し、3級障害が3つあれば、上記5号や6号の障害に該当しなくても併合判定では2級となります。

 ウ)併合(加重)認定の対象となる障害状態が、障害認定基準や併合判定参考表に明示されている場合は、併合(加重)認定は行わず明示された認定基準の等級で判定します。

 例えば、右手の2指を欠損された方に右手の3指欠損が加わった場合、国年令別表に「一上肢のすべての指を欠くもの」と明示されているので2級です。

 「併合等認定基準」の例示では、左下肢の5趾を失った後、さらに右下肢の5趾を失った方の場合、併合認定では3級となってしまいます。しかし、上記事例と同様下肢障害の認定基準の「両下肢のすべての指を欠くもの」に該当し、国年令別表の2級11号と判定されます。

 エ)上肢障害や下肢障害での3級障害での併合(加重)認定は、併合判定参考表の8号と9号の場合のみ3級とし、8号と10号以下では障害手当金相当と判定されます。

② 併合後の支給年金について(障害基礎のみか?障害厚生と障害基礎か?)

 ア)前発、後発ともに初診日に国民年金加入だと併合後は、障害基礎年金だけの支給です。

 イ)上記(1)の併合(加重)認定の場合、前後の障害のいずれかの初診日が障害厚生年金加入中であれば、併合後も障害基礎年金と障害厚生年金が支給されます。前後の初診日が国民年金加入は障害基礎年金だけ支給です。

 ウ)(2)の併合改定の場合、前発障害の初診日が厚生年金加入中だったとき、障害厚生年金と障害基礎年金が支給されます。それ以外は障害基礎年金だけ支給です。

 エ)初めて2級は、後発障害の初診日が厚生年金加入中であれば、障害厚生年金と障害基礎年金が支給されます。後発傷病の初診日・保険料納付要件を満たせば、その初診日加入の年金が支給されます。前発後発の確認は、初診日で行います。(他の併合の前後関係は障害認定日で見ます。)

③ 併合認定後の年金の取扱い

 ア)上記(2)の併合改定の認定が行われた結果1級とならないとき(①のア))は、前後どちらか有利な年金を選択することになります。

 イ)上記(1)の併合(加重)認定が行われた場合、前発障害の受給権は失権(消滅)します。併合後の等級で支給決定されます。

④ 支給停止中の併合認定の取り扱い

 一方の障害年金が支給停止されているときは、併合後の年金は支給されず他方(支給停止されていない)の年金が支給されます。

(「併合認定の注意点」は、「国民年金・厚生年金保険障害給付受付・点検事務の手引き」を参考資料としました。)
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