各等級はどんな状態か?

 障害等級は国民年金法施行令や厚生年金保険法施行令で定められていますが、各等級に該当する障害状態とはどの程度の状態を言うのでしょうか。認定基準では次のように述べています。

① 1級
 「他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度」としています。
 具体例として「病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内にかぎられるもの」と述べています。

② 2級
 「必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもの」としています。
「病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるもの」と述べています。

③ 3級
「「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。(「傷病が治らないもの」については、障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当する。)」としています。

④ 障害手当金
 『「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。』とあります。
(注)労働制限が3級と違い、「著しい」の文言がありませんが年金3級と障害手当金とを区別する最初の基準は、「治った」のか「治っていない」かです。傷病や診断書の内容を参考に判断されますが、請求件数の多い精神疾患は病気の特性から障害手当金の対象外とされます。
なお、3級と障害手当金との障害の差は個々の認定基準や認定要領をご確認をお願いします。

 さらに障害等級表(国年令別表、厚年令別表)や障害認定基準の詳細を知りたい方は、
「障害等級表及び障害認定基準」をクリックして下さい。

内臓疾患の例示

 内臓疾患等の診断書では、診断書を作成する医師が日常生活能力を評価・判定する「一般状態区分表」があります。この評価と自覚症状や多覚所見、検査数値等により請求者の障害の状態他で判断することになります。それは次のような内容です。

ア 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
イ 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
 例えば、軽い家事、事務など
ウ 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
工 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就 床しており、自力では屋外への外出等がほぽ不可能となったもの
オ 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がお おむねベッド周辺に限られるもの

 他の検査所見も含めた総合判断となりますが、3級は、「イ」又は「ウ」。2級は「ウ」又は「エ」。1級は「オ」と通常は等級判定されます。
( 繰り返しますが、必ずその等級となるのではないことを申し添えます。)

 「ア」の「無症状で」は傷病特性からこのような文言が使われているのでしょう。検診で初めて指摘されて気が付いたような場合を想定しているのでしょう。3級は「イ」の記述から、想像以上に重い状態でなければ認定されないことがご理解いただけるのではないでしょうか。

 重症度を判断する客観的な検査数値・指標等がある傷病は、上述の日常生活能力の例示とともに総合的に評価されることから、客観的・公平な認定審査が受けられることになりますが(100%ではないでしょうが)、そのような判断指標のない傷病は上述の日常生活能力の例示により認定されることにならざるを得なくなります。

客観的な指標のない病気とは?

 精神疾患がまずあげられます。
  例外は、IQですが知的障害の認定では総合評価の一つと認定基準で明記しています。(私は現時点でIQで不当な決定を受けた経験はありません。就労他ではありますが・・・。)

 次に「ガン」、「難病」等があげられますがそれ以外で該当する傷病は多いのです。症状により就労が制限され日常生活では他の援助が必要な状態にあれば対象となるはずです。

就労制限、要援助状態

 就労が著しく制限される状態が3級、日常生活で多くの援助が必要で、労働により収入を得ることができない状態が2級、1級は他人の援助なしでは日常生活が不可能な状態と理解されます。

 しかし、一方でフルタイムで働き障害年金を受給中の方もいらっしゃいます。例えば、心臓ペースメーカーや人工関節等を装着された方のように人工器官・人工臓器設置手術や特定の治療を受けた方ならば、装着、治療継続していれば年金支給も継続されます。

 そうでなくても身体の欠損や機能障害が検査数値等が障害等級に該当していれば、通常の就労が可能でも支給は継続される場合があります。

 それでは障害状態を客観的に判断する検査数値等のない傷病の場合はどうでしょうか。精神疾患では知的障害での就労は比較的多く、 障害年金の支給が認められた方でも厚生年金加入で働いていらっしゃいます。知的障害ですから障害基礎年金で等級は2級以上です。しかし、2級は働くことができない状態と先の例示にはありました。支給されるのは何故でしょう?

 この根拠は、知的障害や発達障害の認定基準です。
『勤労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意志疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。』と明記されています。うつ病や統合失調症等の他の認定基準にもほぼ同じ記載があります。

 請求や更新時点の認定では、認定基準に明記された趣旨とは異なる就労の事実、収入額によって不該当や従前の等級よりも軽度の等級への変更との決定がされることがありますが、「十分確認したうえで」の判断であることが前提条件です。

 ガンや難病のような傷病はどうでしょうか?
  残念ですが、精神疾患の認定基準のような記載がありません。しかし、『療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況、仕事場で受けている援助の内容』等々を『十分確認したうえで』、『判断すること。』基本的な考え方は変わらないと思います。

 診断書の依頼の際には、主治医には請求傷病による不便さ、援助の状況を十分に伝えることが重要です。

受給者との比較

 障害年金のご相談で、ご自身あるいはご家族の状態は現に障害年金を受給している方と同じ程度かそれ以上に重いから、請求すれば支給は間違いないはずと考えていらっしゃる方が多いのですが、支給されるでしょうか?これは精神疾患の方が圧倒的です。

 その方の一日の過ごし方、症状の変化等をその年金受給者の方に詳しくお聞きになったことはない方が殆どです。症状は変動するのです。その人と状態は同じと思っているご自身やそのご家族の方も、日によって、一日の時間帯によっても大きく変わることは気が付いていらっしゃるはずなのですが。

 主治医と障害年金請求について相談されることをお勧めします。


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