相当因果関係とは?

 相当因果関係は、初診日の認定で用いられる考え方・判断基準です。以下ご説明します。

 初診日は、障害の原因となった傷病の症状を訴え最初に受診した日です。病名不明、○○病疑いと診断され別の病院で専門的な治療を受けるように別の病院を紹介されたような場合、症状を訴え最初に受診した病院の初診日を障害年金の初診日と認定するのが通例です。

B病とはじめて診断され治療を受けている◯◯病院の初診日を、障害年金では初診日としない場合があります。

◯◯病院を受診する前に、B病の原因とされるA病で●●病院を受診していた。B病の初診日はA病で最初に受診した◯◯病院の初診日が障害年金の初診日と認定されるのです。

A病とB病には相当因果関係が認められるからです。

腎不全(人工透析中)での請求の場合。腎不全発症前に糖尿病で治療を受けていました。糖尿病が原因で腎不全となった(相当因果関係あり)から、腎不全の初診日は、糖尿病の初診日と認定されます。

障害認定基準では次のように述べています。「前の疾病又は負傷がなかったならば後の疾病が起こらなかったであろうというように、前の疾病又は負傷との間に相当因果関係を認められる場合をいい、負傷は含まれないものである。」

障害年金の初診日認定では、主治医が因果関係はあると診断書等に記載しても相当因果関係ありと判断しない場合が多々あります。相当因果関係が認められない場合、別傷病とされます。

 障害年金の相当因果関係は、医学的な因果関係と比べ病名を限定した因果関係なのです。「相当」とは、(前の病気から後の病気になる)確率が相当に高い、後の病気の原因は前の病気があったからと考えるのが通常だといわれるようなレベルなのです。

相当因果関係の例示

* 相当因果関係ありとされる傷病の例示(注)
前の傷病名 後の疾病名
(負傷は除く)
糖尿病 糖尿病性網膜症、
糖尿病性腎症、
糖尿病性神経障害、
糖尿病性動脈閉塞症
糸球体腎炎
(ネフローゼを含む)、
多発性のう胞腎、
腎盂腎炎
慢性腎不全
肝炎 肝硬変
結核(化学療法副作用) 視力障害
手術(輸血) 輸血による肝炎
ステロイド投薬
(副作用)
大腿骨骨頭壊死
事故または脳血管疾患 精神障害
肺疾患手術後 呼吸不全
転移性悪性新生物 原発と組織上一致
または転位が確認

* 相当因果関係なしとされる傷病の例示

前の傷病名 後の疾病名
高血圧 脳内出血または脳梗塞
糖尿病
近視 黄斑部変性、網膜剥離、
視神経萎縮

(注) 相当因果関係の根拠条文は、国民年金法第30条 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及び これらに起因する疾病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日・・・。、「起因する疾病」が「相当因果関係が認められる疾病」を意味します。

なお、上記の傷病名は例示に過ぎず、それ以外の病名でも相当因果関係ありと判断される可能性はあると考えます。また、相当因果関係がなくても関連があれば(因果関係)良い。例;ガン発症後のうつ病。

* 病気との因果関係はなし、手術がありとされた事例

子宮がんで、根治手術の広汎子宮全摘手術を実施。その後、両側尿管狭窄を原因とする両側水腎症を発症。手術も行うが、腎機能障害が徐々に進行、慢性腎不全と診断された。

慢性腎不全と尿管狭窄とは、医学的に因果関係は明白だと判断された。しかし、広汎子宮全摘手術との因果関係は認めなかった。慢性腎不全の初診日は子宮がんではなく、両側水腎症の初診日となる。

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