障害年金申請で一番重要な初診日とは?

初診日が不明のままだと受給できない理由

初診日は、障害年金の請求手続きを進める上で最初に確認しなければならない項目です。請求できる資格があるか、あっった場合でも支給される年金の額にも影響します。

初診日は、次の要件を満たしているかを判断する重要な日付なのです。

  1. 保険料納付要件; 保険料を規定以上納めなかった方の申請は認めないから。(申請書類すら渡してくれないのです。)理由?
  2. 加 入 要 件; 支給を受けられる障害年金はひとつか?ふたつか(支給額の違い)

障害年金119の初回無料相談で、私が最初に確認するのは初診日です。皆さまも役所や年金事務所の相談窓口でも最初に確認されるのは初診日です。初診日が不明な場合、「確認の上再度お越しください。」や病院をいくつか変わられた方には、受診状況等証明書を渡され「初診日の証明を取り再度ご来所ください。」と言われます。

「初診日、ショシンビと何度も聞くな!昔のことで覚えていない。分からんものはわからん!!」などと年金事務所の窓口で、カウンターを今にも叩かんばかりの剣幕で担当者に詰め寄るような大声が時々聞こえてくることがあります。(初診日を事前に調べないで出向かれる方が多いようです。)

年金保険料をまったく納めていなくても20歳前傷病による障害基礎年金は受給できますが、初診日が少なくとも20歳前にあることを証明できなければ支給されません。(知的障害は除きます。)

初診日を充分に調べた上で窓口相談に行きましょう。初診日を特定するのが難しい方、以下に該当される方は必ず調べましょう。難しい様でしたら障害年金119へご相談ください。

  • 障害認定日請求遡って障害年金を受給されたいとお考えの方
  • 転退職を繰り返し、頻繁に加入年金制度を変わられた方
  • 国民年金の保険料納付の記憶が曖昧な方
  • 障害厚生年金を請求される方

手続を進めると、最初に初診日だと思っていた日よりも前の受診日が初診日とされたり、忘れていた受診記録が出てくることがあります。そのような場合、最初からやり直しとなり、初診日は変更され受診状況等証明書の代金もムダになります。実はこのようなことを何度も繰り返される方もいらっしゃるのです。

また、請求が受理された後で別の初診日が判明した場合、書類は請求人に戻されます(返戻;へんれい)。請求した日は最初に書類が受理された日(月)とならず、後の再提出日とされ月が変わり、支給される受給額がひと月以上減ることになります。

初診日とは?

初めて医師または、歯科医師の診察を受けた日のことですが、その判断ですと「初診日は違う!」と日本年金機構から却下されるケースが後を絶たないのです。

あなたの初診日が、以下の③以後にあてはまる場合は要注意です。充分な調査が必要で、障害年金専門の社会保険労務士にも相談されることをおすすめします。

① 初めて診療を受けた日。(治療行為または療養に関する指示があった日。)

② 同一傷病で病院が変わった場合、最初に医師の診療を受けた日。

③ 同一傷病で傷病が治癒し再度発症している場合(社会的治癒)は、再発後に最初に医師の診療を受けた日。

治療の必要がなく(医学的には治癒していなくても)、一定期間以上健康な方と同様の生活を送っていた方が、同一傷病が再度悪化したような場合、悪化(=再発)後最初に受診した日が新たな初診日として認められることがあります。これが社会的治癒です。

④ 勤務先の健康診断で異常が発見され、その後医師の診療を受けた場合。原則、健康診断を受けた日は初診日となりません。(例外;初診の医療機関の証明がとれず、医学的見地からただちに治療が必要な状態と認められる検診結果だった場合は、請求者が検診日を初診日としたい旨申立て、その検診日を証明する資料が提出可能であれば認められる。)

⑤ 誤診の場合でも、その後に傷病名が確定した場合、最初に誤診をした医師等の診療を受けた日。(誤診から確定診断までの期間が長かったり、誤診のまま治療を受け続けていた場合など実際の認定では予想もしない厳しい判断が下される多い。とくに会社勤めの間は誤診状態、退職後に正しい病名・治療が開始された場合、障害厚生年金ではなく障害基礎年金しか支給しないなどです。)

⑥ じん肺症(じん肺結核を含む)については、じん肺と診断された日。

⑦ 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日。

⑧ 先天性疾病の場合、20歳前に診察を受けていなくても20歳前の障害基礎年金を受給できる場合があります。(例;知的障害は出生日と認定されます。)

⑨ 先天性疾患でも発症、受診した日が初診日とされます。(例;網膜色素変性症、先天性心疾患、発達障害など)。

⑩ 最初のAと言う傷病が原因でBと言う別の病気になってしまった。相当因果関係のあるAとBの傷病は同じ傷病として扱われ、初診日は傷病Aの初診日とされます。(慢性腎不全で原因は糖尿病だったら、初診日は糖尿病の初診日となります。)

* 初診日の特定が難しいことをご理解いただけたのではないでしょうか?現実は上の①から⑩に該当するか否かの判断が難しい事例も多いのです。たとえば、相当因果関係がないとされる傷病に関しても認定基準に記載された事例はごく一部でしかないのです。

初診日の証明は取れますか?

初診日を特定する証拠で一番効果のあるものは、医師の証明です。診断書を作成する病院が初診なら診断書で初診日が特定可能です。そうでなければ初診病院から別に初診日の証明(受診状況等証明書)を作成してもらい提出します。

しかし、カルテは法定保存期間が5年ですから廃棄されたり、廃院等の理由で証明書の取得が困難な場合、本人が「受診状況等証明書が添付できない申立書」に記入し、以下のような裏づけ資料を添えて提出しなければなりません。その申立書に添付する資料の例として次のようなものがあげられています。

  •  身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳
  •  身体障害者手帳等の申請時の診断書
  •  生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書
  •  事業所等の健康診断の記録
  •  母子健康手帳
  •  健康保険の給付記録(レセプトも含む)
  •  お薬手帳・糖尿病手帳・領収書・診察券(可能な限り診察日や診療科がわかるもの)
  •  小学校・中学校等の在学証明・卒業証書
  •  盲学校・ろう学校の在学証明・卒業証書
  •  第三者証明
  •  その他

実はその他に「添付できるものは何もない」の項目もありますが、裏づけ証拠を提出しないと障害年金の受給は非常に難しくなります。「その他」の初診日を間接的に証明できる資料を提出すべきです。

最近は初診日の証明資料が提出できない場合、そのことを理由に認定しないケースが増加しています。一例をあげると、国民年金の未納が20歳直後にひと月だけ未納があっただけでも「初診日が特定できないから」という理由で却下(門前払い)するのです。

何を提出すべきか?提出して認定されるか?は、個々の状況により異なりますが、真正なものであれば『何でも』裏づけ資料となる可能性があります。このような状態だったら、その時点で病院を受診したはず。そのように判断するのが妥当(常識)だと判断するしかないような第三者の証言や資料、詳細な状況を説明する病歴・就労状況等申立書他を提出します。諦めないことです。

諦めなかったことで認定された例があります。認定基準で2級該当とされる治療を受けている方ですが、初診日が古く、初診証明が取れず添付資料なしで請求、不支給でした。再度家中を調べたら古いアルバムの中に初診日当時の領収書を発見、再請求で受給できた事例がありました。

初診証明の例外は、知的障害で受診状況等証明書の提出は不要です。理由は誕生日を初診日として認定するからです。

初診日認定の緩和が行われたけれど⁈

平成27年10月1日から省令の改正(障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて)により、第三者証明による初診日の認定は、従来は20歳前障害基礎年金にだけ認めていたのですが、現在は初診日の年齢に拘わりなく適用されます。(条件あり、後述します。)また、初診日が一定の期間内にある場合の取り扱いも明確化、検診日は原則、初診日と認めない取り扱いとなりました。

障害共済年金では本人の初診日申立だけで支給を認めていた事実が新聞で取り上げられ、官民格差の露見と国の初診認定の厳格さが批判されたことが理由でしょう。従来なら裁定請求段階なら却下、審査請求や再審査請求段階でようやくまともな審査が行われる事案も、最初から審査の溯上に載せられれることから請求者にとって歓迎すべき改正と言えるでしょう。

改正の詳細はリンク先をご覧いただくとして、ポイントを以下ご説明します。

① 第三者証明(書式リンク

  •  第三者証明には客観性のある裏づけ資料が必要。ただし、初診日が20歳前にある場合、第三者証明だけで20歳前に初診日があることが確認できればよい
  •  医師など医療従事者の証言は単独で証明と認められ、その他の資料の添付は不用
  •  第三者証明は、医療従事者を除き原則複数の提出が必要。事情により、1名の場合でも初診日認定される可能性もあること
  •  第三者証明の内容は、初診日当時の事情を直接知り得た事実、本人、家族などから聞いた事実であること(ただし、聞いた時点が請求日からおおむね5年以上前が条件)
  •  聞き取った時期が5年以内でも裏づけがあれば、認定の可能性があること
  •  第三者は民法上の三親等以内の親族は除外されること
 

 第三者証明は、当然その内容がポイントですが誰に書いてもらうかも実は相当に重要です。

② 初診日が一定の期間内にあると確認された場合

  •  一定の期間内の全ての月で、保険料納付要件を満たしていること(20歳前、60~65歳を除く)
  •  一定の期間の始期・終期に関する資料の提出が必要
  •  上記資料は、医学的資料や客観的な裏づけ資料でなければなりません
  •  一定期間内に異なる年金制度に加入した場合、初診時にどの年金制度加入か証明する資料を提出すること

③ その他の取り扱い

  •  5年以上前のカルテに本人申立ての初診日が記載されている場合、本人申立でもその日を初診日と認めること(5年以内でも他の客観的資料があれば認定される可能性があること)

    ○ 従来、審査請求以上でなければ認められなかったのですが、年金事務所提出レベルで認定される事例が増えました

  •  診察券や入院記録でも請求傷病での初診日と確認できる場合は認定されること
  •  健康診断を受けた日(健診日)は原則初診日としないこと(申請者が健診日が初診だと主張し健診結果などを提出し、一定の状況が確認されれば初診日と認定される場合もあること)
  •  
  •  年月までしか解らない場合、月末の日付とすること(異なる年金制度加入月は月末日付を認めないこと)
  •  さまざまな医証や医学的判断等を総合的に勘案し、請求者申立の初診日が合理的に推定できる場合は認定するように厚生労働省が日本年金機構に通知したこと

初診日の証明が取れないと簡単に諦めず、身内の証言以外なら何でも捜そうとする気持ちが重要だと思います。初診日の特定が困難な方のご相談やご依頼を障害年金119 今成社会保険労務士事務所はお待ちしております。

初診日は変更できるか?

「初診日は変えられないのか?」というご相談をいただくことが多いです。

保険料納付要件を満たせない方の場合は切実な問題です。

また、初診日に加入していたのが厚生年金か国民年金だったかでは大きな違いがあります。

障害等級3級 から受給できるのは厚生年金加入だった方だけです。障害年金の一時金である障害手当金も初診日厚生年金加入が条件です。

受給後も初診日に国民年金加入ですと2級でも障害基礎年金だけですが、初診日厚生年金加入なら障害厚生年金と障害基礎年金が支給されます。受給額に大きな差が生じます。

でも、初診日の変更は(原則)、無理ですとしか申しあげられません。

日本年金機構は、原則的な初診日の考え方を自ら否定するような初診日認定を行っているのが実情です。令和元年11月、脳脊髄液漏出症で申請した事例において確定診断日を初診日として認定し、本来の初診日と確定診断日までの期間の年金が受給できなくなり、申請者が不利益を被っているとして新聞で報じられました。

受任した事案で確定診断日しか初診日と認定しないのは不当だと審査請求、再審査請求を行いましたが、病名が確定していないから(有名な病院を受診していたにもかかわらず)「適切な治療を受けていたと判断できない」という理由で門前払いしたのです。

その事案を逆手に、初診日が特定困難な事案で、確定診断日を初診日として申請、受給できまきました。しかし達成感はあまり感じられず満たされない思いが残りました。

脳脊椎漏出症の初診日認定については、同年12月18日相当因果関係の考え方から取り扱いを行うように改めました。

これから障害年金の申請をはじめたい方で初診日特定が困難な方は、今一度上記の初診日の定義にあてはまる可能性がないか?(とくに③社会的治癒)をご確認ください。また、医学的な観点からどうか?について主治医に相談されることもお勧めします。

初診日の特定に時間が掛かりすぎた結果申請が遅れ、予定していた月の年金がもらえなくなってしまうことも起こります。初診日認定に不安のある方はお気軽に障害年金119 今成社会保険労務士事務所へご相談をお寄せください。

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