事後重症請求とは?

事後重症請求は、請求時点で障害年金の支給を求める請求です。認められた場合、請求した日の翌月から年金が支給されます。

障害認定日から1年以上経過した時点で障害認定日請求(遡及請求とも言います。)をする場合、事後重症請求も同時にしなければなりません。

事後重症請求だけ行われる方が圧倒的に多いのが実情です。つぎのような理由からです。

  • 障害認定日当時は受診していたが、障害等級に該当する程ではなく請求しなかった。その後悪化しはじめて事後重症請求される場合。
  • 障害認定日当時は状態が改善し受診を中断、その後悪化し事後重症請求される場合。
  • 障害認定日請求したが不支給や却下され、事後重症請求される場合。
  • 障害認定日時点の障害状態が確認できる診断書等の提出が困難で遡及請求を断念された方が、その後悪化し事後重症請求する場合。

支給額の少ない年金の方が受給可能性も高くなる傾向にあると経験上感じます。遡及請求より事後重症請求、障害厚生年金より障害基礎年金です。

障害認定日請求と違い事後重症請求は、65歳の誕生日の前々日までなら何度でもできます。(老齢年金の繰り上げ受給者は除きます。)

事後重症請求は遡れません。

事後重症請求を令和2年1月に行った場合、受給権発生は令和2年1月、支払い開始は令和2年2月からとなります。

事後重症請求日3月前までしか障害状態の審査対象期間としません。

障害認定日時点(1年6月から9月までの期間)外でも診断書他の資料で、障害状態に該当するとして支給を認められた経験もあります。事後重症請求での支給認定ではなく、障害認定日請求として認められたのです。

(注)支給決定までに障害基礎年金で3カ月、障害厚生年金では4カ月程度かかります。支給が認められると審査に要した月分が最初の年金振込時に一括遡って支給される。でも、どこまでも遡って受給権が発生し、時効期間内最長5年の遡及請求の支払いとは違います。

事後重症請求手続きは早さがポイント。

事後重症請求は速やかに終えること、スピードがとくに重要です。

年金請求の締め切りは月末です。3月1日提出も3月31日提出も同じ3月中の提出となり、支払い開始は4月から。3月31日の翌日の4月1日提出となったらどうでしょう?

年金支払い開始は5月になり、提出の一日遅れが年金支給開始の一か月遅れとなってしまうの。ひと月分がもらえなくなるのです。

障害基礎年金2級の場合、およそ6万5000円のもらい損になってしまいます。

(注)実は遡及請求も同じことが言えます。障害年金の請求は特別の事情がある場合を除き、ひと月でも早く請求することが重要です。

事後重症請求後の(再)遡及請求について

問題ありません。可能です!!

障害認定日時点の診断書取得は諦めざるを得なくて事後重症請求しかできなかった。しかし、障害認定日時点の診断書が提出できるようになった方。

遡及(障害認定日と事後重症との同時)請求だと資料の収集に時間がかかり、請求書を提出するのはまだまだ何か月もかかる。

事後重症請求なら認められるはず、早く年金がもらいたい!!

とりあえず事後重症請求の手続きを優先。請求した翌月から障害年金を受給、経済的な不安を緩和した上で遡及請求手続きをする。このような手続きも「アリ!」だと考えます。

事後重症後の(再)遡及請求はできるだけ早い時期にしなければなりません。(リンク先をご覧ください。)

事後重症請求で年金受給期間が5年以上になった場合、再請求をする「経済的なメリット(実益)」がなくなるからです。

事後重症の年金と遡及請求の年金はダブって受給できません。仮に、1年後に遡及請求を行い支給が認められた場合、遡及支払い対象期間からすでに支払われた1年分の障害年金は差し引かれることになります。

時効は5年、遡及請求が認められても5年を越えて支払われません。事後重症で支給が認められた障害年金をすでに5年以上受給していたらもらえる年金はゼロです。

*ご注意;年金受給時の審査で認定された初診日を変える(社会的治癒も含め)ようなケースは、あてはまりません。

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