保険料納付要件とは?

保険料納付要件は、障害年金受給3要件のひとつです。保険料を納付しなければならない合計月数に対し、保険料納付月数と保険料免除月数の(未納以外の月数)合計の割合(納付率)が、規定以上なければ支給されません。

保険料免除期間はすべて納付扱いとならないので注意してください。全額免除ではない部分免除の場合、免除されない部分は納付することになり、納付しなければ未納扱いとされるからです。

保険料納付率は、3分の2以上が原則です。特例があり、初診日の前々月までの直近1年間に未納がなければよい。原則と特例のどちらかを満たせばよい。特例で納付要件を確認し、満たさない場合原則の3分の2要件で判断する方が簡単です。

納付率は初診日の前日の納付状況で計算するため、初診日以降に追納した月や免除申請月(法定免除は除き)は納付率計算から除外され、未納月とされます。

3分の2要件とは?

初診日の前日において、初診日の属する月の前々月まで(注1)に被保険者期間があり、その被保険者期間合計月数の中に、保険料納付済期間(注2)保険料免除期間(注3)の合計月数が3分の2以上あること。

(注1)平成3年4月31日までに初診日がある場合、初診日の属する月前の直近基準月の前月までと読み替えます。基準月とは、1月、4月、7月そして10月です。

(注2)保険料納付済期間とは

① 国民年金第1号被保険者期間および昭和61年3月31日以前の国民年金被保険者期間のうち、保険料を納付した期間(任意加入被保険者期間を含む)
② 国民年金第2号被保険者期間(20歳前と60歳以後の期間も含む)
③ 国民年金第3号被保険者期間(20歳以降60歳までの期間)
④ 昭和61年3月31日以前の厚生年金や共済年金の加入期間(昭和36年3月31日以前の期間および20歳前と60歳以後の期間も含む)
* 国民年金1号被保険者は自営業、アルバイト等で第2号被保険者とならない方。第2号被保険者は厚生年金加入中の方で国民年金も同時加入で保険料は納付済み、その方に扶養される方が同3号被保険者となり、自分では保険料を納付しなくても納付済みとなります。

(注3)保険料免除期間とは(1号被保険者だけに認められる期間)

① 国民年金第1号被保険者および昭和60年3月31日以前の国民年金被保険者期間のうち、保険料の全額免除期間
② 学生の保険料納付特例、若年者の保険料納付猶予を受けた期間のうち、保険料を追納しなかった期間
③ 国民年金第1号被保険者期間のうち、部分免除(半額、4分の3、4分の1)を受けた期間

ただし、①、②の免除申請は初診日以後に行われた場合は未納と同じとなり、③の 部分免除を申請しても、その免除されない(=納付すべき)保険料を初診日以後に納付した場合も未納と同じ扱いとなります。部分免除さえしていればそれで良いのではありません。

事例で納付率を確認しましょう。
保険料納付要件の事例
保険料納付済期間と保険料免除期間(初診日前日までの申請・納付済み)の合計が、144月。全被保険者期間が216月。3分の2以上かどうかは、2÷3=0.6666666ですから、144月÷216月=0.66666666となります。
よって、3分の2以上納付済みなので保険料納付要件を満たします。

直近1年要件とは?

初診日が令和8年3月31日以前にあり、初診日に65歳未満の方は次のような特例が適用されます。

初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、その被保険者期間の直近の1年間に保険料納付済月と保険料免除月以外、つまり保険料未納(=滞納)月がまったくなければよい。

事例でご説明します。
保険料納付要件の説明画像

初診日の前々月以前の直近1年間は保険料納付済期間と保険料免除期間のみです。保険料未納期間がないので保険料納付要件を満たしていることになります。

注意点

3分の2要件、直近1年要件のいずれかにより納付要件を確認する際の注意点をご説明します。

  • カラ期間(合算対象期間)は、被保険者期間に含めない。
  • 初診日の前々月までに被保険者期間がない場合、納付要件は満たします。
    初診日が20歳到達月とその翌月にある場合等です。
  • 第3号期間は初診日以後に該当届が提出された場合、届け出の前々月まで2年間遡って保険料納付済期間とされます。2年経過した期間は未納扱いとなります。(例外あり)

年金は経過措置等が多く複雑です。過去の学生期間や海外在住経験等のカラ期間の有無が障害年金の受給資格を左右することもあります。複雑なケースは障害年金専門の社労士に調査依頼されることをお奨めします。

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