障害年金の加算額とは?
1級や2級の障害年金の受給権を得た時点で、受給している人に生計を維持される加算対象者がいた場合、加算額が支給されます。また、加算の要件を満たさなくなったときは、支給停止(権利停止)や失権(権利消滅)となります。
平成23年4月に障害年金加算改善法が施行され、受給権取得以後に結婚した配偶者、生まれた子も加算対象となりました。
① 障害基礎年金
・ 18歳になった年の年度末(3月31日)までの子
・ 障害等級1級または2級の障害状態にある20歳未満の子
* 2人目までの子については、それぞれ234,800円。3人目以降は、1人につき78,300円が加算されます。
② 障害厚生年金
・ 65歳未満の配偶者があるとき
・ その配偶者の年収が850万円未満または所得で655.5万円未満であること。ただし、今後5年以内に退職予定とか、経営から身を引き引退することで収入や所得が基準額未満となることが確実な場合、加算が認められます。
* 加算額は、228,700円となります。
20歳前障害基礎年金と結婚
20歳前障害基礎年金を受給中の方から、結婚すると夫婦の収入が増えるから支給停止されるかとのご質問をいただくことがあります。
支給停止の対象は個人の収入であり、世帯単位ではありませんので支給停止されませんのでご安心ください。また、出産された場合も上述の通り、将来産まれてくるお子様も加算されます。
加算が止まる理由は?
* 支給停止
配偶者加給年金の受給権はあっても一定の要件に該当すると支給停止されます。
令和4年4月改正により、令和4年4月以降配偶者が支給調整対象となる年金を、実際に受け取っていなくても支給停止されます。(例外・経過措置あり)
経過措置;令和4年3月時点で、①ご本人に加給年金が支給されていること。②加給年金対象の配偶者が厚生年金保険の被保険者期間が240月以上ある老齢厚生年金等の受給権があり、加給年金が全額が支給停止されていること。以上2点を満たせば引き続き続き支給されます。
加給年金が停止される場合もあります。加算対象の配偶者が、老齢厚生年金の合計加入期間が240月以上ある場合。障害基礎年金や障害厚生年金(注)(その他厚生年金保険法施行令で定める給付;詳細省略)を受給できる場合は、その翌月から加給年金は停止されます。
(注)ともに老齢年金受給者ではないご夫婦の一方が、すでに2級の障害障害厚生年金を受給中だったとします。他方の配偶者は厚生年金加入が300月に達しなかった方。その方が新たに障害年金を請求し、3級で認定された場合は最低保障額が支給されます。ご夫婦トータルの年金額は加算額が増える程度です。
* 加算事由不該当による失権
下記の事由に該当したらその翌月から支給されなくなります。
① 配偶者の加給年金
- 死亡した場合
- 離婚した場合
- 配偶者が、受給する年金の選択変更した場合
- 65歳になった場合(配偶者の老齢基礎年金に振替加算が加算されることもある。)
- 受給権者(本人)に生計を維持される方が加算対象とならなくなった場合
② 子に対する加算額
- 死亡した場合
- 結婚した場合
- 受給権者に生計を維持されなくなった場合
- 受給権者の配偶者以外の人と養子縁組みした場合
- 離縁により受給権者の子で無くなった場合
- 18歳に達し年度末の3月31日を過ぎた場合
- 1、2級の障害状態にあった子が3級以下になった場合(18歳になった年度末の3月31日までの期間は除外)
- 1、2級の障害状態にあった子が20歳になった場合
65歳以後の加算
65歳前は、障害と老齢、障害と遺族と種類の違う年金の受給権があっても同時に受給できません。いずれかのひとつの年金を選択し受給しなければなりません。一人一年金の原則といいます。
選択しなかった年金は支給停止されます。選択変更はいつでも可能で翌月から変更後の年金受給が可能です。
平成18年4月以降、65歳到達後は障害基礎年金と老齢や退職、遺族などの給付と同時に受給できるようになりました。
①障害基礎年金と老齢厚生年金、障害基礎年金と退職共済年金との同時受給が可能です。
②障害基礎年金と遺族厚生年金も同時受給が可能です。
ただし、上記の組み合わせですと、加算は停止されることがあります。①の場合、老齢厚生年金の子の加算が停止され、②の場合、遺族厚生年金の経過的寡婦加算額が停止されます。