認定基準の改正案及び診断書改訂案(たたき台)
【認定基準改正案】から平成23年9月1日施行へ
* 改正案(たたき台)から訂正または削除された箇所は、このように表記しました。また、訂正や新たに加筆された箇所は赤い文字で記載しました。
【診断書改正案】 改正案診断書.pdf (153KB)D 知的障害(精神遅滞)
(1)知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいう。
(2)各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 障害の状態 1級 知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、 またかつ、会話による意志の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常 時援 助を必要とするもの2級 知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに一部援助が必要であって、 またかつ、会話による意志の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助 が必 要なもの3級 知的障害があり、労働が著しい制限をうけるもの (3) 知的障害
(精神遅滞)の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する必要がある。また、知的障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
(4)日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮のうえ、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。
(5)勤労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。
したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意志疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。
E 発達障害
(1) 発達障害とは、
発達過程において何らかの原因によって、認知、言語、社会性、運動などの機能の獲得が阻害された状態をいう。基本的には、脳の機能的な問題が原因で起こるもので、知的障害、広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群・高機能自閉症)、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、学習障害(LD)などがある。自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。(2)発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。
また、発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
(3)
自閉症やアスペルガー症候群は、20歳前に発症する疾患であるが、発達障害は通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。(4)各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 障害の状態 1級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、 またかつ、著しい 異常 行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの2級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、 またかつ、異常行動がみ られ るために、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの3級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、また、社会行動に問題がみられるた め、労 働が著しい制限を受けるもの (5)日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮のうえ、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。
(5)(6)勤労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、
従事している期間、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意志疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。