腎疾患での障害年金申請の注意点
・ 人工透析治療を受けている場合、障害等級は2級に該当します。従って、保険料納付要件を満たしていれば、障害基礎年金、初診日に厚生年金加入であれば、更に障害厚生年金も受給できます。更に、対象となる妻や子があればそれぞれに加算額が上乗せ支給されます。
しかし、腎疾患は長い時間を掛けて悪化する病気であること、通院される病院が多いこと、更に、腎臓病の原因が糖尿病の方が多く、その場合糖尿病と「相当因果関係」ありとして糖尿病の初診日が腎臓病の初診日と認定されること等々で、最初に受診した病院ではカルテ廃棄、廃業等の理由で初診日証明の取得が不可能となることが多々あります。手続きが進まず断念される方も多いのが実情です。
初診日認定の取り扱い変更通知が平成27年9月に厚生労働省から出されましたが、初診証明の問題は、障害年金受給の前に立ちはだかる大きな障壁であることに変わりはありません。
障害年金の請求は、初診日から1年6月経過した時点(障害認定日)で可能で、その時点で受給権を得られない場合は、現在(直近3月以内)の状態での請求だけ(事後重症請求)しかできなくなります。腎疾患では、病気の性質から過去の障害認定日(特例も含む)時点の遡及請求での認定件数や少なく、事後重症請求が一般的です。
腎臓疾患、人工透析開始で障害年金請求をされたい方は、すぐに手続きを開始され、今月請求完了を目標にしてください。中旬以降なら来月中です。(透析開始後3月経過しないと請求できないのは特例だけ。)月が変わるとひと月分の年金がもらえなくなるからです。自信のない方は、手続きに精通し、更に、あなたの年金ひと月支払っても「合う」ような報酬設定の社会保険労務士にご依頼されるのが賢明です。
腎疾患の障害等級及び認定要領
腎疾患の障害等級ごとの状態は次の通りです。
1級は、自力で日常生活を送ることが出来ない状態。2級は、常時介助を要する程度ではないが日常生活の多くを自力で行えないような状態。3級は、就労が著しく制限されるような状態だとしています。でもこれは他の疾患(精神疾患など)でも適用される包括的な例示です。
腎疾患の場合、臨床検査数値などから機能障害の程度を判断可能です。検査結果と自覚症状から日常生活への支障の程度を5段階で示す「一般状態区分表」の判定結果を基に等級認定します。
なお、腎臓移植手術を受けた場合、更新(再認定)は1年後に行われます。
腎疾患の障害等級及び認定要領の詳細は、こちらをご覧ください。