「喘息予防・管理ガイドライン2009(JGL2009)」より抜粋(参考)
1.喘息予防ステップ |
治療ステップ1 | 治療ステップ2 | 治療ステップ3 | 治療ステップ4 | |
吸入ステロイド薬(低用量) | 吸入ステロイド薬(低~中用量) | 吸入ステロイド薬(中~高用量) | 吸入ステロイド薬(高用量) | ||
上記が使用できない場合以下のいずれかを用いる LTRA デオフィリン徐放製剤(症状が稀であれば必要なし) |
上記で不充分な場合に以下いずれか一剤を併用 LABA(配合剤の使用可) LTRA デオフィリン徐放製剤 |
上記に下記のいずれか1剤、あるいは複数を併用 LABA(配合剤の使用可) LTRA デオフィリン徐放製剤 |
上記に下記の複数を併用 LABA(配合剤の使用可) LTRA デオフィリン徐放製剤 上記のすべてでも管理不良の場合は下記のいずれかあるいは両方を追加 抗IgE抗体2) 経口ステロイド薬3) |
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追加治療 | LTRA以外の抗アレルギー薬1) | LTRA以外の抗アレルギー薬1) | LTRA以外の抗アレルギー薬1) | LTRA以外の抗アレルギー薬1) | |
発作治療4) | 吸入SABA | 吸入SABA | 吸入SABA | 吸入SABA | |
(軽症間欠型相当) ・症状が週1回未満 ・症状は軽度で短い ・夜間症状は月に2回未満 |
(軽症持続型相当) ・症状が週1回以上、しかし毎日ではない ・月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ・夜間症状は月2回以上 |
(中等症持続型相当) ・症状が毎日ある ・短時間作用性吸入 β2 刺激薬がほぼ毎日必要 ・週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ・夜間症状が週1回以上 |
(重症持続型相当) ・治療下でもしばしば増悪 ・症状が毎日ある ・日常生活が制限される ・夜間症状がしばしば |
LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬
LABA:長時間作用性β2刺激薬
SABA:短時間作用性β2刺激薬
1) 抗アレルギー薬とは、メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1拮抗薬、トロンボキサンA2阻害薬、Th2サイトカイン阻害薬を指す。 2) 通年性吸入抗原に対して陽性かつ血清総IgE値が30~700IU/mlの場合に適用となる。 3) 経口ステロイド薬は短時間の間欠的投与を原則とする。他の薬剤で治療内容を強化し、かつ短期間の間欠投与でもコントロールが得られない場合は、必要最小量を維持量とする。 4) 軽度の発作までの対応を示し、それ以上の発作については喘息予防・管理ガイドライン2009 7-2「急性増悪(発作)への対応(成人)」を参照 |
*予防・管理に用いる薬剤には、長期管理薬(コントローラー)と急性発作の治療に用いる(リリーバー)があり、これらの薬剤をそれぞれのステップに応じて使用する。コントローラーは抗炎症薬と長時間作用性気管支拡張薬であり、リリーバーは短時間作用性気管支拡張薬と全身性ステロイド薬である。
2.コントロール状態の評価
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コントロール良好 (すべての項目が該当) |
コントロール不十分 (いずれかの項目が該当) |
コントロール不良 |
喘息症状 (日中および夜間) |
なし | 週1回以上 | コントロール不十分の項目が3つ以上当てはまる |
発作治療薬の使用 |
なし | 週1回以上 | |
運動を含む活動制限 | なし | あり | |
呼吸機能 (FEV1およびPEF) |
正常範囲内 | 予測値あるいは自己最高値の80%未満 | |
PEFの日(週)内変動 | 20%未満 | 20%以上 | |
増悪 | なし | 年に1回以上 | 月に1回以上* |
*増悪が月に1回以上あれば他の項目が該当しなくてもコントロール不良と評価する。
3.各吸入ステロイド薬の吸入器の種類
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pMDI (加圧噴霧式定量吸入器) |
DPI (ドライパウダー吸入器) |
BDP(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル) | BDP-HFA (キュバール) |
なし |
FP(フルチカゾンプロピオン酸エステル) | FP-HFA (フルタイドエアー) |
FP-DPI(フルタイドディスカス、フルタイドディスクヘラー) |
SM(サルメテロールキシナホ酸塩)との配合剤 | FP/SM HFA (アドエアエアー) |
FP/SM DPI (アドエアディスカス) |
BUD(ブデソニド) | なし | BUD-DPI(バルミコートタービュヘイラー) |
FM(ホルモテロールフマル酸塩水和物)との配合剤 | なし | BUD/FM(シムビコートタービュヘイラー) |
CIC(シクレソニド) | CIC-HFA (オルベスコ) |
なし |
MF(モメタゾンフランカルボン酸エステル) | なし | MF-DPI(アズマネックスツイストヘラー) |
4.各吸入ステロイド薬の治療ステップ別推奨量
薬剤名 | 治療ステップ1~2低用量 | 治療ステップ3中用量 | 治療ステップ4高用量 | |
BDP-HFA | 100~200μg/日 | 200~400μg/日 | 400~800μg/日 | |
FP-HFA | 100~200μg/日 | 200~400μg/日 | 400~800μg/日 | |
CIC-HFA | 100~200μg/日 | 200~400μg/日 | 400~800μg/日 | |
FP-DPI | 100~200μg/日 | 200~400μg/日 | 400~800μg/日 | |
BUD-DPI | 200~400μg/日 | 400~800μg/日 | 800~1600μg/日 | |
MF-DPI | 100~200μg/日 | 200~400μg/日 | 400~800μg/日 |