総合認定とは 

認定対象となる複数の疾患を併発している場合、個々の障害を併合(過重)認定を行わず、複数疾患全体での症状、障害状態をひとつの障害としてまとめて認定する手法を総合認定と言います。

複数の疾患には因果関係がないこと(=初診日が同じではないこと。)が条件です。障害の原因となる症状が、どの傷病によるものなのか?切り分けができないから併合認定には適応しないからです。

認定基準では、内科的疾患を上げています。前章の認定基準の説明においてとくに定めている場合は、総合的に認定します。とあり、代表的な例が精神疾患の併発です。

*事例
Q.何年も前に、糖尿病を発症。障害認定日当時、等級不該当。症状増悪。腎機能低下。さらに脳梗塞も発症した場合。このような方の請求は、どうすればよいでしょうか?

A. 事後重症請求となります。糖尿病単独、インスリン治療を検査日前に90日以上継続しても血糖値がコントロール困難な状態なら、3級以上該当。糖尿病性腎症から腎臓機能低下で人工透析治療を受けていれば2級該当。
糖尿病と糖尿病性腎症は、相当因果関係ありと判断されることから、総合認定はムリ。初診日は糖尿病の初診日と同じだから初めて2級の認定も同様に受けられないことになります。
人工透析に至らないような状態糖尿病で3級であれば、脳梗塞との併合認定を想定すると、糖尿病との相当因果関係は否定され別個の障害として初めて1,2級で認定されることがあります。
その時点での障害の程度にもよりますが、ご本人にとってどのような請求がよいのか?判断のしどころです。

総合認定のメリット

仮にうつ病とてんかんでそれぞれ3級相当だった場合、併合認定しても3級のままです。総合的に等級判定すれば、2級となることは十分あり得ます。総合認定のメリットと言えます。

認定基準には上記の内科的疾患や精神疾患に限らず、「総合的に認定する。」と明示された箇所が多数あります。それらの記述に該当する障害の場合、差引認定されるケースを除けば、障害基礎年金のように受給可能性が高くなり、より重い等級で適切な等級判定を受けられる可能性があります。

複数傷病で症状がどの傷病によるものかを判別できないような障害の程度判定が困難なケースは多く、認定基準の「総合的に認定する。」と明示された箇所ではとてもカバーし切れないでしょう。そうすると、総合認定を受けられる範囲は広いと考えられます。

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